壁殴ってたら拳が痛い、春風です。
グーにすると特に痛いです。
とりあえずネームを終了して提出したので重荷が消えて一息。つく暇もなく芝居の脚本制作に入ります。
誰にも頼まれてないのにウンウン言いながら書物してると、ひょっとして自分はマゾなんじゃ?と思ったり。胸が熱くなりますね。
それだけだと寂しいので、一つマンガの紹介でも。どうにかすると画像やamazonリンクが貼れるはずだけど現段階では無理なので文章だけで。
『呪街』全四巻 作・惣本蒼 (アフタヌーン)
「呪力者」という存在がある。彼らの持つ力は人を容易に操ることを可能とし、またその記憶を掘り起こすことも、あるいはそれほどの労力を伴わず単に殺す事もできる。
そんな人の身に余る力を持った彼ら呪力者はしかし暴動を起こすでもなく権力を振るうでもなく、政府と連絡をとり自主的に「呪街」と呼ばれる町に住み日々を送っている。
呪い呪われ、恨み恨まれ、過去の記憶を呪力に変えて、呪力者達は呪街の中で互いの命を貪り合う終りの無い殺戮の日々を送っている。
三人の登場人物がいる。
一人は笠音(かさね)。呪街の四天王と呼ばれる人物で、彼女自身呪力者となって長い。彼女が何を思い、誰を呪い、何のためにその力を使うのか。物語が進むにつれて段々と明らかになっていく。
一人は真生(まお)。呪力者に成り立ての「新人」だ。彼は訳あって笠音と暮らしている。断片的な記憶によると彼が呪力者として目覚めたときに家族を殺めているようだが、本人はまだ記憶を取り戻せずにいる。
最後の一人は優愛菜(ゆあな)。彼女もまた呪力者になったばかりである。彼女が「目覚めた」場所は呪街から遠かったため、ゆっくりと南下しながら呪街を目指している。
十二歳という年齢のためか、その力は発展途中の不安定な状態であり、力を中和できる「仲保者」と呼ばれる役人と一緒にいる。彼女の存在は、未だ出会わぬ笠音や真生にとって非常に重要な意味を帯びるのだが、それはまだ、先の話である。
えー、「呪い」という一種の超能力をテーマにしたバトルもののマンガなのですが、とにかく展開が地味で暗い。
呪い自体大概は相手の脳にダメージを与える不可視の力でして、戦闘となると互いににらみ合って手を相手に向けたかな?などと思ってるとどっちかが死んでそれで終わりです。
また、本作の主眼は戦闘でなく人物描写にあり、誰かを憎むことでしか生きられない笠音、過去と向きあおうとする真生、心優しいがその力ゆえに他者を傷つけてしまう優愛菜とそれぞれのテーマが決まっています。
それもあって派手な展開のない、ついでに出てくる人たちがみんな何かギスギスした連中ばっかですが、「呪い」という力とそれを取り巻く環境、不信、怨嗟、救いと癒し、それらを正面から描いた意欲作です。戦闘も長い駆引きや見栄の張りあいがなくてある意味でリアル。
人間ドラマが好きでかつ、普通のマンガに飽きてしまったあなたにおすすめです。
ちなみに作者の名前は(そうもとそう)。読めないせいで本屋で探すの苦労した。
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