さっき(午前5時頃?)地震ありましたね。何事もなくゲームを続けました。春風です。
ジャック・ケッチャム作
『隣の家の少女』が映画化されるようで。
http://www.youtube.com/watch?v=nDLWswUHh1g
(youtubeの予告)
これ、春風最大の(というより唯一の)トラウマ小説でして、たぶん高一くらいの頃に読んだんですが今でも内容思い出して気分が落ちることがあります。
また、ちょくちょく好きな本を読み返すことのあるなかで、この本は唯一「つまらなかったから」ではなく「面白かったから」「強く引き込まれたから」こそ二度と読み返したくない本でもあります。
「田舎に暮らすデイヴィット少年は都会から引っ越してきた美しい少女メグに出会った。メグはどうやら彼女の面倒を見てる叔母さんに虐待を受けているらしいが……」
というほんの二行で説明できる内容なんですが、よくもここまでと思えるくらい陰湿に、執拗に叔母のルースによる虐待が延々と続き、それが人気作家の筆力で先へ先へと読まされてしまうものだからもう、最悪です。
予告編では性的なものを含む拷問が主にピックアップされて、B級映画臭がただよう作りに見えましたが、この小説の本質はむしろ精神的な虐待にあります。
明るく活発だったメグが日に日にふさぎこんで衰弱していくのをただ見ていることしかできないデイヴィット。
叔母のルースは手を休めるどころかむしろ虐待をエスカレートさせていき、無茶苦茶な理由をでっち上げての食事を与えず、彼女と同じ10代の少年たちを使ってレイプさせ、「もしも逃げるようなことがあったらあんたの妹を同じ目に合わせてやる」と脅し……。
あー、思い出すだけでも気分が悪くなる。大人のエゴと子供の無力さをこうも見事に描かれると、普段変態で通ってる俺も眉間にシワを寄せて自己嫌悪に陥らざるをえないわ。何が嫌って、これ実話を元にしてるんだよね。こんなことできるやつが現実にいたと思うと、しかも今もまだ世の中のどっかじゃ似たような事が行われているかと思うと、遣りきれない思いで胸が一杯になる。
「虐待にあった子供も最後には親や親戚など肉親の元へ返すべき(もちろん虐待した人は厳しく指導します)」とか間違いなく現場を見たことのないお偉方が考えた原則だよね。虐待が確認された時点で速やかに子供を隔離して、そのまま子供が成人するまで親元に返すべきじゃないだろ。子供が死んでからじゃ、あるいはひどい傷を体だか心だかに負ってからじゃ、何もかもが遅すぎるっていうのに。子供に取って最も信頼しているはずの保護者から虐待を受け続けることがどれほどのストレスになるか連中は考えたことが…とかまあそんな事をとうとうと考えてしまうくらい、きつい作品です。
春風は絶対に観に行きませんが、デート映画としておすすめの一作ですので、特に付き合い始めのカップルなんかは話のタネに観てみるといいんじゃないでしょうか。
何かブログの趣旨とも合わなければ、自分の柄とも合わないことを書いてしまったが、まあつまりそれくらい影響力のあるアクの強い作品ってことです。「本を読むだけでこうも人を陰鬱な気分に追いやれるのか」という文字の力を確認することができる、と言う意味でも原作はお勧めです。これに比べると同じような少女虐待系である
『ブラッドハーレーの馬車』はビジュアルを伴いながらも、どこかぬるく感じられます。
そんじゃ今日はこの辺で。おやすみ。
あ、しまった。オリンピックの開会式が
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